別れの言葉といえば、あなたは何を思いうかべますか?
「さようなら」
そう。
けれど、考えてみればこの言葉、日常のなかで口にすることは、ほぼありません。
「じゃあ」
「またね」
「おつかれさまでした」
ふだん使うのはこれくらいでしょうか。もう会うことはないかもーーそんな場面ではなおさら「さようなら」ではなく「じゃあ、また」を使ってみたりする。だからこそ、「別れ際にさよならなんて悲しいこと言うなよ!」と碇シンジくんは叫んだりするわけです。
一方、相手と二度と会いたくないような場面では、言葉の出る幕がない。
そんな使いづらい「さようなら」って、もともとどう使われ、どういう意味と由来をもっているのか。近世史家である髙山宗東さんの著書『お言葉でございます』をひもとけば、じつは、「さようなら」も歴史的には新しい言葉で、「それじゃあ」と同じ意味だった……と知れます。髙山さんは、そこから、ある小さな物語をはじめています。ちょっと泣ける話でもあり、そこはこの本を購って味わってみてください。
さて、5月の本とスパイスは、この本と髙山宗東さんという御伽衆を扉のようにして、「消えゆくもののために」をテーマに、みなさんを言葉のめくるめく世界へご案内します。「すべての言葉は、その場所から消えてなくなるもののためにある」。まず、この見晴らしが得られる場所へ。そして……
「さようなら」
この言葉が、みちびいてくれる、その先へ、歴史と文学と、自然科学や人類学の知見もまじえ、わけいってみたいと思います。
◉テーマ:消えゆくもののために
〜『お言葉でございます』髙山宗東
◉日 時:2018年5月25日(金)
◉開 場…18:30〜/ライブ…19:00〜20:30
(20:30〜 食事とカフェの時間。退場自由)
◉場 所:カフェオリゼ(雲南市木次町里方331−1)
◉案内人:面代真樹(「森と畑と牛と」編集人・樟舎)
◉参加費:2,500円(スリランカ・カレー/ドリンクセット含)
◉定 員:12名
◉問合せ・お申込は以下のいずれかで。返信をもって受付です。
❶カフェオリゼのfacebookページからメッセージを送信
❷樟舎宛FAX:0852-35-5139
❸樟舎宛メール:honto@ksnoki.org