角をまがればそこに江戸がある 〜神坂次郎「元禄御畳奉行の日記」そして…. (本の話#0020)

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◆主 催:カフェ・オリゼ&樟舎
◆日 時:2019年8月9日(金)
開 場…18:30〜
トーク…19:00〜20:30(20:30〜22:00 食事とカフェの時間。21時以降の退場はご自由に)
◆場 所:カフェオリゼ(島根県 雲南市木次町里方331-1)
◆参加費:2,500円(スリランカカリー、ドリンクセット含)
◆定 員:12名
◆申 込:「本とスパイス」参加希望として、下記のメールアドレスまでお名前とご連絡先をお知らせください。返信のメールをもって受付終了とさせていただきます。
honto@ksnoki.org

本の話とカレーのゆうべ、その第20回、今回のテーマは、元禄という時代と人の心です。神坂次郎の『元禄御畳奉行の日記』を手がかりに、三百年という時をさかのぼります。
元禄は、現代とつながる多くの物事が生まれた時代でした。朝・昼・晩の三食が一日の食事となったこと、お盆や正月や七夕などの年中行事、お金を出せばお酒が飲めるようになったのも、芝居見物も旅行も旅館も、ほかあれもこれもが、江戸の中ばの頃になってはじめて生まれたことだったのです。
何がこの時代に、起こっていたのでしょう。それは歴史のみならず、社会、経済、そして日々の暮らしを営む「人の心」を問い直してみることでもあります。
ここで、元禄を代表する人物と書物に登場願いましょう。荻生徂徠の「政談」です。時の将軍徳川吉宗の求めに応じて秘密裏に書かれた「政談」。国家改造計画として吉宗だけが読むように、まちがっても他言してはなりませんとされたその禁書は、しかし後世何人もの人物が読むことになります。
政治学者の丸山真男は徂徠こそが日本史上はじめて、現実の事態に対する政治的「決断」=決心を理論的に用意し、切り開いたのだと唱えています。恐るべき書ですね。
かたや、御畳奉行の日記はといえば、人目を盗んでの魚釣り、ご禁制の芝居見物に、酒、女、博打、親の小言に、妻のヒステリー…てな具合。俗っぽいったらありゃしない。そう、元禄とは真面目なもの、聖なるものが、俗化していく時代でした。落語が生まれたのも元禄でした。
たいそうなことのようですが、なにせこの暑さ、気楽な時として過ごしたいものです。夏の夕暮れ、ちょいと路地裏に迷いこむような気分で。「角を曲がれば江戸がある」そんな場所まで、みなさんをご案内いたします。(案内人森と畑と牛と編集人・面代真樹)

◆とりあげる主な書籍、論文等
神坂次郎『元禄御畳奉行の日記』(中公新書)
朝日重章 著, 塚本学 編注 『摘録鸚鵡籠中記』(岩波文庫)
荻生徂来 著, 辻達也 編『政談』(岩波文庫)
野口武彦 『荻生徂徠』(中公新書)
鹿島茂 『吉本隆明1968』(平凡社新書)
田中圭一 『百姓の江戸時代』(ちくま新書)
深谷克己,1986「取立てとお救いー年貢・諸役と夫食・種貸ー」(日本の社会史第4巻,岩波書店)
勝俣鎮夫,1986「売買・質入れと所有観念」(日本の社会史第4巻,岩波書店)
岸本覚,2013「幕末・維新期における松江藩と隠岐預所の基礎的研究」
大日方克己,2010「岸崎佐久次と『出雲風土記抄』」(社会文化論集 第6号)…など